バンザーイ!!!本日は記念すべき日になりました。
世界で初めてレーザーによる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が施行されました。
胃と食道で成功しました。大学院生の小畑君が慎重にして、ESDの全周切開を45秒で何の出血もなくしていました。続いて、粘膜下層の剥離もレーザーで行い、出血もなくESDを完了させました。手術場にいた18名が一斉に拍手し、私の目から、思わず感激の涙が溢れてきました。その後、森田助教が食道のESDをあっさりとしてしまいました。阪大工学部の粟津教授との医工連携、さらに産学連携の成果です。思えば2年前に、共同研究がスタートし、「いずれ私もESDが出来るレーザーシステムを開発して下さい」と言ったことから始まった研究ですが、2年という短期間で夢が叶いました。ただし、今日は生体ブタでの成功です。近いうちにヒトで安全・確実なESDを実施したいものです。これから益々忙しくなりそうです。
今日の大成功も、実はちょっとしたアイデアがきっかけになったのです。今日の実験も午後1時から始まり、当初予定していた実験がいま一つ十分な成果が挙がっていなかったのですが、粟津研の間先生が従来の固定概念を捨て、機器を簡素化することを提案し試したところ、3時間の停滞感が一気に払拭されたのです。ものづくりに一番こだわりのあるはずの工学博士の間先生が、概念にこだわらずに発言したことに大きな意味があります。研究者のちょっとしたアイデアが、研究を一気に進展させることになるのです。これも、この研究に最も中心的に従事している間先生だからこその発言だったと思います。こんなことが、実験の大きな楽しみなのです。実験終了後、皆で祝杯を挙げました。いろんなアイデアが飛び出し、本当に幸せな一日でした。実は明日、東京で大型研究費のヒアリングがあるのですが、今日はそのプレッシャーも忘れ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。皆様お疲れ様でした。今日が、レーザー内視鏡治療の世界制覇に向けて、新たなスタートとなりました。がんばりましょう!!!