今回は今年の消化器内科10大ニュースの4位「神戸消化器内視鏡機器開発・教育センター(KEDDEC)を開設」、5位「井口特務教授が着任」、8位「医工連携でMR内視鏡の共同研究が開始される」の説明をします。
今年、晴れて念願のKEDDECを立ち上げることができました。神戸大学に来て1年半というスピードでKEDDECを立ち上げることができたのは、何と言っても井口特務教授が着任していただいたおかげです。神戸市の医療産業都市構想において設立された先端医療センターを基盤にして、医工連携、産官学連携のもとに消化器内科として最も重要な医療機器である消化器内視鏡の機器開発に根幹から参画したいという願いが叶いました。そして具体的にプロジェクトとして立ち上がったのがMR内視鏡です。MR用のコイルを内視鏡下に消化管内に挿入し、消化管粘膜の微細構造を描出し、早期消化管癌の病変範囲及び深達度診断、粘膜貫通血管走行の描出により、内視鏡的粘膜下層剥離術などの内視鏡的治療を正確かつ安全に行うことを目指しています。また、同センターにて、生体ブタを用いた内視鏡的治療の教育システムを構築し、多くの消化器内視鏡専門医を育てることを目指しています。今年は2回、KEDDECで生体ブタを用いた内視鏡的粘膜下層剥離術のトレーニンセミナーを行いました。来年度は全国規模の内視鏡教育セミナーを定期開催するとともに、1度はインターナショナルなセミナーを開催したいと考えています。更に、KEDDECが刺激となり、今年は森田助手が2件の消化器内視鏡バイスの特許を申請しました。KEDDECは我々消化器内科の今後の世界戦略の大きな舞台となるものと期待しています。