先週金曜日はスウェーデン大使館で開催されたイノベーションクラスターの交流会に出席し、関西イノベーション国際戦略総合特区における私たちの医療機器開発の取り組みについて発表してきました。スウェーデンからは介護関係のロボットの発表がありました。両国の話を聞いていると、どちらもクラスター間の連携というより、競合が強い印象でした。最近は、大学間競争、特区間競争に駆り立てられ、皆、というか、少なくとも私自身は、疲れが先行している状況のように感じます。何とか、まず成果物を上市し、この状況を打破したいものです。
東京への日帰り出張後、土曜日朝から月曜日まで台湾に行ってきました。韓国テグ、スペインバルセロナ、台湾IRCAD、神戸の間で連携しているInternational Medical Research Associationの会で、神戸での消化器内視鏡治療及び機器開発の取り組みについて発表してきました。この会は、さきほどのクラスター間連携が実現されている良い例です。台湾IRCADは台中にあり、フランスStrasbourgのIRCAD本拠地のアジア拠点です。内視鏡検査・治療、内視鏡手術等の機器開発とトレーニングセンターです。施設内には、22台の手術台が並べられたトレーニングラボがあり、神戸のMEDDECの7台とは比べ物にならない大きな規模です。台湾全土で7000床を持つShow-Chwan Health Centerグループが設立し、開設式にはフランス大統領も出席されたようです。


丁度、訪問時に設立5周年記念式典が開催され、フランスを中心として、世界各国から多くの招待者が出席していました。

また、2年前にはブラジルにもIRCADが設立されています。アメリカでは、消化器内視鏡学会がトレーニングラボを設立しています。また、先日訪問してきたシンガポール、上海にもすばらしトレーニングラボがあります。世界では、産学官連携により新たな機器開発及び手技開発が精力的に進められています。消化器内視鏡は日本が世界をリードしてきた分野ですが、このままでは、電化製品の二の舞になるのではないでしょうか?私たちは平成18年に神戸消化器内視鏡機器開発・教育センターを開設し、内視鏡機器開発と内視鏡ハンズオンセミナーを開催してきました。また、平成22年にI Get Kobeを設立し、年1回国際消化器内視鏡ハンズオンセミナーを開催し、来年5月末には、完全世界公募で応募者を募る、実質初めての国際消化器内視鏡ハンズオンセミナーを開催します。規模は、小さいですが、内容は世界一であると自負しています。日本が開発してきた消化器内視鏡機器、内視鏡治療手技を、少しでも世界にアピールすることが出来ればと願っています。


台中から帰りは高速鉄道に乗って空港へと向かいました。日本の新幹線の車体が採用されたものですが、駅は日本以上に立派でした。