今年も残すところ3週間になりました。今年を振り返り、当初の目標がどうなったか検証してみたいと思います。今年の目標10項目は次のとおりでした。
1. 平成21年度の大学院生、後期研修医を計15名以上確保。
2. NPO「消化器健康医療研究機構」の設立と運営。
3. 国際肝炎センター設立。
4. 神戸消化器内視鏡機器開発・教育センター(KEDDEC)の国際展開。
5. 新規消化器内視鏡機器開発(5つ以上のプロジェクトの発展)。
6. 神戸消化器クラスターの整備・拡充。
7. 大型研究費助成5本以上獲得。
8. 内視鏡的消化管粘膜下層剥離術年間500例達成。
9. 胆・膵内視鏡年間700例達成。
10. 英語論文15編以上:大学院生研究英語論文5編以上。
来年度に向けての人材ですが、大学院生は現時点で7名、後期研修医5名、卒後6年目以上3名の15名と何とか達成出来ました。NPO法人は今年2月に設立され、医師主導の臨床試験も開始しており、順調に運営されています。国際肝炎センターですが、設立には至っていません。ただ、神戸大学として感染症に重点を置き、感染症センター設立し、肝炎はその中で大きなテーマの一つになっています。今後は、消化器内科として、感染症センター内で肝炎やヘリコバクターピロリ感染の臨床・研究を分担することになります。KEDDECでの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のハンズオンセミナーは近畿地域の若手先生方を対象に今年も4回行いました。また、カンボジアと中国からの医師5名を対象に胆・膵内視鏡検査・治療と胃のESDのハンズオンセミナーを今年開催することが出来ました。新規消化器内視鏡機器開発については、内視鏡治療用オーバーチューブとESD用ナイフがほぼ製品化に至りました。また、MR内視鏡内視鏡治療用レーザーの開発も順調に進んでいます。消化管ステントと内視鏡ロボットについても開発を手がけることになっており、当初の目標は達成しました。さらに、これら消化器内視鏡機器開発が内閣府のスーパー特区に採択されましたので、来年度は更なる大きな展開が期待されます。神戸消化器クラスターの整備ですが、研究会を今年2回開催し、多くの会員の参加を得ることが出来ました。また、今年は新たに千船病院に消化器内視鏡センターを設立し、クラスター内の教育病院の充実が出来ました。来年度は更に教育病院の拡充を予定しています。大型研究費助成ですが、今年は文部科学省科学研究費補助金が基盤Bと特定領域研究が1つの計2つ。新興再興感染症プロジェクト、グローバルCOE、スーパー特区、上原記念財団助成と5つ以上獲得することが出来ました。特に、グローバルCOEとスーパー特区は超大型プロジェクトであり、今年はこれまでにない最高の年でした。ESD年間500例達成については、若干数が足らなかったようですが、順調に増加しています。特に食道と大腸については、日本トップクラスになっています。胆・膵内視鏡は今年大幅に増加し、800例を超えたようです。特に10月は103例施行しました。英語論文は14編で、大学院生は増田君の1名だけでしたが、増田君は高レベルの雑誌に掲載され、早期修了することが出来ました。また、今石田君が投稿中です。最終的には目標には届きませんでしたが、一期生が来年4年生になりますので、来年は期待出来ます。したがって、完全に達成されたのが7項目で、残りの3項目も大きな前進が見られており、合格点が得られたと思います。
年内に駆け込みの会議や研究会が山積みです。ラストスパートをしないといけません。