ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈氏の記事を見る機会があり、目を引いたことを紹介します。「トランジスタ誕生のニュースを聞いて、私はいち早く真空管の研究を離れ、将来性に富む半導体研究に移った。新しい研究分野を開拓すれば、二流の研究者でも一流の論文が書ける。企業においても二流の経営者が生きるには、新分野開拓が好ましい。限られた市場のシェアの争奪戦では、敗者なくして勝者はあり得ないが、拡大する新分野では、参加者すべてが勝者になり得るのである。」あのノーベル賞を受賞された超一流の江崎氏も、若い時代はこのような考えを持っていたんだと感じました。展望のある新分野を見分ける力、新しい分野を開拓する力があってこそのことだと思いますが、私たち凡人にも参考になる言葉だと感じました。最近、若い先生と話す機会が多いのですが、若い人達が案外新しいものに対して臆病?な考え持っているなあと感じることがあります。あまり冒険をせず、確実性の高い道を選ぶような傾向があるのでしょうか?若い間は是非チャレンジ精神を持ってほしいと思います。今、私たちの教室にいる大学院生を見てみると、大学院に入学する前には、臨床の第一線の病院での臨床現場から研究という未知の分野に踏み出すことを躊躇していた人もいました。しかし、半年も経つと、皆の顔つきが変わってきました。目を輝かせて研究に没頭しているように見えます。周りの環境も大きな力になります。江崎氏は東京大学を卒業後神戸工業株式会社に勤めておられました。神戸という土地柄は江崎氏を育てた自由な環境の素地があるのだと思います。
年始から仕事が溜まってきており、年末に整理した机の上も書類が山積みになってきました。今週木曜日の東京での日本学術振興会ヒアリングが終わるまで、なかなか書類の整理も進みません---。